秋冬の寝室の作り方

秋から冬にかけて、なぜ睡眠時間が長くなるのでしょうか?
また、すっきり目覚められず、布団から出られない日が多くなるのはなぜなのでしょうか?

今回は、そんな疑問にお答えして、寒い時期でも快適にできる寝室づくりについてご紹介したいと思います。ぜひ参考になさってください。

なぜ寒い時期になると、睡眠時間が長くなったり、すっきり目覚められないのでしょうか?
それは、私たちが身体にある体内時計に影響を受けて生命活動を行っているからなのです。私たちの身体には多くの細胞がありますが、これらも時計遺伝子でコントロールされていて、活性化したり、落ち着いたりのバイオリズムを持っています。この体内時計は、太陽の光を浴びることによって、日々リスタートしています。しかし、日の出の遅い秋や冬は、いつもの起床時間ではまだ暗いこともあります。さらに日照時間が短くなり、太陽の光も弱くなるため、睡眠の質に影響してしまうのです。
太陽の光を浴びる時間が減ってしまうと、睡眠を調節しているメラトニンという物質の分泌量が減少し、眠りと覚醒のバランスが崩れて、熟睡感が得られなかったり、日中に眠気を強く感じたり、なんとなく憂鬱な気分になってしまったりするのです。

寒い時期の寝室づくり

1 暖房器具を使う

寝室の温度を16度から19度くらいにしておくために、暖房器具を使うのが良いでしょう。また、窓に断熱シートやプラダンを貼るのも更にオススメです。暖房器具としては、エアコンやオイルヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーターなどがあります。

〈エアコン〉

部屋ごとにエアコンが設置されている割合が増えている昨今なので、部屋を暖めるためにエアコンを使用するという方は多くいらっしゃることでしょう。エアコンから出る暖かい空気は上に溜まる傾向があるので、風向きを下にしたり、サーキュレーターを使用すると部屋全体が暖まると思います。ただし、エアコンを使用すると部屋の乾燥が進んでしまいますので、加湿器や濡れたタオルを部屋にかけておくことをおススメします。

〈オイルヒーター〉

ヒーター内のオイルを電気で暖めているため、送風することなく室内が暖まります。カラッとした寒さが特徴のヨーロッパで昔から使用されている暖房器具です。現在の気密性の高い空間で使用されるのが良いので、寝室での使用に適していると言えます。窓やドアの近くに置くことで、室温が下がるのを防ぐことができます。

〈パネルヒーター〉

オイルヒーター同様、パネルからの熱で空気を暖めているので、空気を乾燥させることなく使用することができます。ただ、オイルヒーター同様、電気代がかかることがデメリットかもしれません。

〈ハロゲンヒーター〉

ハロゲンランプを使用した電気ストーブの一種で、ハロゲンランプが放出する赤外線によって人を直接暖めることができる暖房器具です。早く暖まるというのが最大の利点なので、日中、近くにおいて使用することに適しています。一方、寝室全体を暖めるのは不得意かもしれません。

2 加湿器を使う

日本の冬の湿度はとても低くなります。寝室が乾燥していると、乾燥による発疹や肌のかゆみで、熟睡できなかったり、のどの渇きのため、目が覚めてしまうこともあるでしょう。また、インフルエンザやその他のウイルスなどで体調を崩してしまうことも。
いろいろなタイプの加湿器が出ていますので、部屋のサイズや使いやすさ、メンテナンスのしやすさなどで選んでみてください。

3 最適な保温や保湿を維持できる寝具にする。

寒さは下から感じやすいため、シーツの材質やベッドパッドなどの身体の下に敷くものの材質を肌触りがよく、暖かい素材のものを使用することが良いと思います。掛け布団にも好みがあると思いますが、重いと寝返りもしにくいため、軽量にして身体→掛け布団→毛布の順にすると布団の中の温度が保たれやすいと思います。

4 カーテン

完全な暗幕になってしまうと、日の出時間が遅い秋冬は、すっきりと起きることが難しくなると思います。光を通しにくいカーテンであれば顔に近い部分のカーテンは開けておくのもひとつの方法です。学校や職場にいくために6時には起床しなくてはならない場合は、照明を徐々に明るくしていくようにタイマーをセットしたり、枕元で使用しているライトをまず点けて、布団内で伸びをしたり、チャイルドポーズなどで身体をある程度動かしてから起床すると、目覚めがすっきりしやすいと思います。また、光目覚ましを利用するのも良いかと思います。

5 起床後のベッドメイキング

秋冬といえども、汗をかくため寝具は湿度をもっています。毎日洗濯することは難しいと思いますので、起床後は少しだけ寝室の窓を開けて、すぐにベッドメイキングはせずに、朝食を取ったり、外出の準備をした後でベッドメイキングをするのが良いでしょう。乾燥している時期なので、布団内の湿気を除去しやすいと思います。理想的には掛け布団をかけておけるような場所を確保したり、布団乾燥機などを使うのもオススメです。

6 寝着(パジャマ)

夏同様、ゆったりしたものを選ぶと寝返りを邪魔しないのでおススメです。材質はお好みもあると思いますので、自分にとって肌触りの良いと感じるものが良いと思います。天然素材で、シルクやガーゼ素材だと、静電気が発生しにくいので眠りの質を下げにくいと思いますよ。

7 その他

ベッドわきにお水を1杯用意しておくと、いざというときのために安心です。また、寝る時に、お腹を温めると寝つきがよくなります。女性は特に、バイオリズムによっては足元に冷えを感じる日もあると思いますが、そんな時は腹巻やレッグウォーマーを活用してみてください。靴下を履いていると途中で脱ぎたい衝動に駆られ、中途覚醒しやすくなるのであまりオススメはしません。極度の冷え性であれば、肌に触れない程度の足元に湯たんぽを置いておくなども良いと思います。

部屋を暑くしすぎてしまうと、かえって寝苦しくなりますので、自分に合った温度や湿度を探ってみてください。そして、暑くなりすぎてしまった場合は頭の部分だけを冷やすと、スムーズな眠りにつながりやすくなると思います。
ぜひ、これらのことを参考にしていただき、自分だけの快適な寝室を作ってみてくださいね。